今年の芸術鑑賞会は落語と太神楽(だいかぐら)で、落語を披露してくださる笑点メンバーの桂宮治さんは、落語芸術協会会長の春風亭昇太さん以来29年ぶりの5人抜きでの抜擢真打と、華々しい経歴と実力の持ち主でいらっしゃいます。太神楽を披露してくださる鏡味味千代(かがみみちよ)さんは国際基督教大学ご卒業後に広報代理店にご勤務後、太神楽を極められるという異色の経歴の持ち主でいらっしゃいます。
八幡高校の体育館に一番太鼓が響き渡りました。この一番太鼓は、お客さんに入場を促す太鼓だそうです。このように江戸情緒を醸し出す形で、今年の芸術鑑賞会はスタートしました。そうこうするうちに始まりを告げる二番太鼓が鳴り響き、開幕です。
桂宮治さんが登場されて一分も経たないうちに体育館は笑いの渦。桂さんは「いい生徒さんですね。」と八高生の反応の良さを何度も褒めてくださりながら、座布団の正しい向きや落語の小道具(扇子と手ぬぐい)の説明など、落語のいろはをお話しくださいました。その後「初天神」の親子のおもしろおかしいやり取りに皆大笑いしていました。
次に鏡味味千代さんが登場されて太神楽を披露していただきました。太神楽は海老一染之助・染太郎さんがなさっていた祝福芸で、おめでたい要素がたくさんあるそうです。バランスを取りながら小道具を重ねていく芸、鞠を使ったジャグリングのような芸などを鏡味さんは楽々と披露され、皆は驚嘆の声を上げていました。傘の上で鞠や輪を回され、最後は八高の代表生徒も傘回しに挑戦。紙風船を傘の上で回すことができました。
最後には桂宮治さんによる「死神」。先ほどのコミカルな喜劇落語とは打って変わって、こちらは怪談話です。皆が死神のぞっとするような声色におののき、最後のオチに引き込まれました。
素晴らしい話術と、太神楽の演技に八高生も教職員も魅了されたひとときでした。
桂宮治さんは博多・天神落語まつりにも出演なさるということで、これを機に日本の伝統芸能にも触れて欲しいとのことでした。芸術の秋にふさわしいひとときをありがとうございました。また桂宮治さんがご自身のTwitterとインスタグラムで八高生を褒めてくださっていました。ありがとうございました。